空気抵抗と真空
新社会人の時、電話を掛けるのが苦手でした
ビジネスの電話なんて殆ど経験がなく、とにかく怖かったわけです
電話に出るのは苦手じゃないのに、電話を掛けるのは苦手でした
こう言われたら、こう返して、面会のアポを取る理由はこうで、いつ本題を切り出して、とかとか
考える程に億劫になっていき、「午前は先方忙しいかもな。午後になったら掛けるか」と先送りし、
午後になると「今日はもう遅いから、明日掛けよう」となって、いつまでもうだうだしているということがよくありました。
頭ではやるべきこと、やった方がいいこと、理屈や必要性は充分に理解しているはずなのに、行動に移すことができない状態
怖がったり、不安だったり、自信がなかったり、タイミングを測ってしまったり、準備が過剰だったり
クレーム対応なんて1秒でも早く電話したほうがいいに決まっているのに、億劫になってしまって発信ボタンが押せないとか
こういう状態を、私は空気抵抗と思っています
自分なりの空気抵抗への対応策は、考えないことでした
脳みそを空にして、行動してから考えるわけです
電話を掛けるのが億劫な時は、とりあえず発信ボタンを押して、相手が出るまでのコール音の間に話すこと考える
アポイントを取る理由を作りたい時は、とにかく良い提案がありますと無理矢理アポイントを取って、その後に提案内容を考える
そんな感じで、アドリブ成功体験が溜まってきた頃には、空気抵抗は気にならなくなっていました
ここから、一番書きたかった内容なのですが、
空気抵抗って何歳になっても、どんなタスクにも、あると思うんですよね
空気抵抗の厄介なところは、当事者・本人以外には感じられないことだと思うのです
部下や後輩に、いかに必要性を論理的に説明しても動いてくれない時は、きっと空気抵抗が働いていると思います
現場ではなく、机上でビジネスを考えた人の話を聞くと、「この人はビジネスの現場が真空だと考えているのかな?」と思います
いくら素晴らしい品質、価格、サービス、顧客満足度、宣伝があっても、見えない空気抵抗にまで視野が及んでいないプランは実現性に欠くと思うわけでした