ガラス製品と命
私はガラス製品を見るのが好きです。
以前も書いたかもしれませんが、ガラスの美しさとは輝きだけではなくその儚さ、その形を保つことの難しさ、無常度の高さに起因すると思っています。
人の命は地球よりも重いと言って、かつて日本はテロリストの要求を呑んだことがありました。日本赤軍事件です。
しかしながら、人間の命というのは私が思いつく限り最も簡単に安く奪うのに73円で失われてしまうものです。
拳銃の弾丸1発73円。
戦争は人類の発明です。
武器のない時代、人が人を殺すのは大変手間の掛かる重労働でした。返り討ちにされてしまうリスクもあります。なので、相手を殺してしまうよりも物々交換の方が効率がよかったのです。
しかし、武器が発明され、少しずつ時代とともに殺人に掛かるコストも下がってきて、今や73円という時代です。
武器があれば、商売をするよりも戦争して全て奪ってしまう方が効率が良くなりました。
なので、近代までは戦争に明け暮れてきたのでしょう。
私は無常度の高いものは有難いことと同義であると思います。
ガラス製品はいつでも壊せるし、意図せず壊れてしまう脆さがある。だから、今目の前で形を保てていることが有り難く、価値がある。
人の命も同じように思います。
いつでも死ねる。生き続けることの方がよっぽど難しい。だからこそ、有り難く、価値がある。