言い辛い
大抵社長というのは、営業職から出世していくのがよくあるケースです。
昔、会社の先輩とそのことについて話しました。
良い営業マンが良い経営者ではないでしょう?
という話題です。
たしかにそうだ。数字に強いだけじゃ経営者になるには力不足。ただ、営業に必要な能力と経営者に必要な能力で共通する箇所もあります。
「営業職とは何をする仕事ですか?」という哲学のような漠然とした質問に、
「言い辛いことを言う仕事です」と答えています。本当にそう思います。
社会人一年生の時、OJTでついてくれた先輩は前年のトップセールスでした。
「何でそんなに売れるんですか?」と訊くと、
「買ってって言えるか言えないかだけ」と一言。
当時は意味がわからなかったけれど、今となってはそれがどういうことなのかよくわかります。
ニコニコして誰にでも当たり障りなく接する方が生きやすいし、自分の善心も保たれます。
しかしながら、それだけでは本当に守りたいものは守れないし、獲得したいものも獲得できないと思うわけです。
ここぞというときは、図太く、言い辛いことを言えなくてはいけないと思います。
私は言い辛いことをいうことに抵抗は少ない方だとは思うのですが、それは偉大な図太い先輩に恵まれたからだと思います。
母親が「言うだけタダや」と言い、
大学で3留していた先輩が「馬鹿のフリしよう」と言い、
営業の先輩は「刺されはしないから大丈夫」と言いました。
僕自身も「言ったもん勝ちって気持ちよくはないけれど、現状世の中そんなもんだな」と感じています。