おどろおどろしい
私の美術館の鑑賞方法は、
全部は見ないし、過剰な予備知識は持たないようにしています。
さーっと歩いてみて、気になったものがあれば立ち止まり、じーっと見てみる。
といった具合です。
自分が興味があるものだけ時間を掛けて鑑賞するので、早い時は30分くらいで美術館を後にしてしまうこともあります。
そんなことをしていると、自分の興味の対象に僅かながら共通点があったので書いておこうと思います。
河鍋暁斎の幽霊図の一つです。
生気のない、不気味な女性の幽霊が枕元に立っているかのような絵です。
なんともおどろおどろしい。
河鍋暁斎は幽霊図の他にも楽しい雰囲気の鳥獣戯画なんかを描いたりもしていますが、私の一番のお気に入りはこの幽霊図であるわけです。
他にも、処刑場跡描絵羽織なんてのもあります。
こちらはむごすぎる絵なので、画像は載せません。
羽織の中央部に残虐な処刑場が描かれてあり、コントラストで袖の部分に明治文明開化後の華やかな風景が描かれているという感じです。
これもまた、立ち止まって見ちゃうんですね。
現代美術展だと、さーっと歩いてしまうことが多いのですが、
上の絵はじっくり見てしまう、引き込まれてしまうものがあります。
自分でも一体何に惹かれているのかわかりませんが、
淋しい雰囲気と荒廃と不気味さとそんなものを感じます。
どうにも自分は華やかなものより、淋しい雰囲気・負の感情を感じてしまうようなものが好きなようです。