したためノート

自分の考えをまとめる為、思った時に思ったことをしたためています

芥川龍之介状態とその抜け出し方のヒントになれば

 

 

僕が芥川龍之介状態と呼んでいるものがあります。

 

それは、

今の仕事を定年まで続けることは考えられないが、自分がやりたいことがよくわからない。

今の仕事に不満があるわけではないし、待遇も悪くないんだけれど、将来に漠然とした不安がある。

という心理状態のことです。

 

芥川龍之介さんに大変失礼な表現かもしれませんが、遺書のキーワードとなる「将来に漠然とした不安がある」という部分がこの心理の核なので、勝手にそう呼ばせていただいています。

 

この心理は共通して賢い若い人たちに多く見られます。

現状に不満があっても思考が停止しているのであれば、こんな悩みは持ちません。

 

 

 

私が新卒の時、40人ほど同期がいました。4年後には半分以上の同期が退職しました。

一部上場で給与も悪くないし、同じ世代だと比較的高待遇だったと思います。

 

退職理由は様々でしたが、最も多い理由だったのは、

「本当にやりたいことが他にある」

というものでした。

 

しかし、彼らは「本当にやりたかったこと」へ進んだにも関わらず、

一年以内に再度退職・挫折することが多くありました。

そして、繰り返し職を転々とした人も何人か知っています。

(職を転々とできるのは日本ならではの贅沢な悩みとも思います)

 

本当にやりたいことに着手できたのに、なんで辞めてしまったんだろう?と考えてみます。

 

私の考えは、厳しい言い方になってしまうかもしませんが、

本当にやりたいことではなかったというだけ。

ではなぜ、「本当にやりたかったことが見つかった!」と嬉々として退職していけたのか。

それは、

「ちょっといいかも」を

「早く目の前の仕事から逃げたい」が後押しして、

「本当にやりたいこと」へ勘違いさせていたんだと思います。

 

真の「本当にやりたいこと」を見極めるのは、今追い詰められて苦しい状況にいると難しいのかもしれませんね。

 

補足:「早く目の前の仕事から逃げたい」と自分は思っていることをしっかり知覚できて、それを理由に退職していくのは問題ないと思います。

 

 

さて、キーワードは「本当にやりたいことをどのようにして見つけるか」だとお気付きのことと思います。

 

 

ironmanyes.hateblo.jp

 

この記事の義弟と義妹に宛てた手紙の中で、僕の弟の話について書いています。

弟は才能があったわけではなく「本当にやりたいこと」と出会えた幸運があったから、今幸せにやってるよ。だから、もし運よく出会えたら見逃さないように感性を鍛えようね。

ということを書いています。

 

つまり、「本当にやりたいこと」なんて出会えること自体、すごく運が必要なことだと僕は思っているわけです。

一生のうちにそれに出会えないまま死ぬ人だってたくさんいるわけで、そんな中いつまで自分探しを続けるのでしょうか?

僕が重要だと思うことは、自分探しより自分作りだと思うのです。

 

 

 

www.ted.com

伊藤穣一さんがナウイストになろう、未来のことなんて考えてもわからないんだから今に集中しようと仰られています。

 

目の前にあることに集中し、それを為して自己を形成していく。

はじめから自分の内側には魅力的な自己があると信じるから自分探しをするわけで、それを否定し、一から魅力的な自己を作っていこう。

自己の作り方なんてよくわからないけど、とにかく目の前のことに集中してやっていれば、少しずつ自己が形を持ち始めるんじゃないの。と思うわけです。

 

 

傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考 - 枡野俊明

を最近読みました。(Amazon Prime会員の方であれば無料)

 

この中で、禅即実践という言葉について書かれています。

禅即実践とは、考えすぎると動けなくなってしまうからとりあえず動けといった意味です。この後に考えない人には勢いがある。勢いを運ぶと書いて運勢であると続くわけです。

 

なんだかナウイストと似ているなぁ。

多分、どちらも今に集中することを指した言葉だからでしょう。

 

未来のことなんか考えたって思い通りにならないし、

未来のことを考えて気持ちがマイナス方向に動くならそんなこと考えないで今に集中しよう。 

未来のことを考えると気持ちがプラス方向に動き、今を動かす原動力になるなら希望の未来に思いを馳せよう。

そんな都合の良い思考をしてみると、それほど今は悪い状況じゃないと気付けると思います。 

 

 

最後に、

人間は選択肢の多さにストレスを感じる生き物というのはジャムの法則で有名な話かと思います。

僕も昨年は芥川龍之介状態に苦しんでいました。

僕の将来には無数の選択肢があり、それが僕を芥川龍之介状態に追いやったわけです。

そして、僕は生まれながら持っていた使命に従うことにしました。

それは辛くても逃げることが出来ない環境になってしまうけれど、目の前のことにひたすら集中し、命を使うに値する価値と歴史があるものだと感じたからです。

 

芥川龍之介状態から脱し、進むべき道が見えた状態を「真・芥川龍之介状態」と呼んでいます。技っぽいですね。

 

使命というキーワードは、真・芥川龍之介状態への「進化の石」になるかもしれませんね。